青葉哲郎のマーケティングブログ

2019年の10大フードトレンド、米国のオーガニックスーパーマーケット「ホールフーズ(Whole Foods)」が発表



サイコスの青葉でございます。

米インターネット通販大手アマゾンの傘下に入った高級食品スーパー「ホールフーズ・マーケット」が昨年末、自社のバイヤーと専門家による2019年のトレンド予測を発表しました。
ホールフーズは、毎年11~12月に翌年のトレンド予測を発表しているのですが、自らトレンドの発信者となることで「流行」を生み出す意図もあるのかもしれませんね。
それでは早速、2019年の10大フードトレンドを見てみましょう。

◆トレンド1 Pacific Rim Flavors 〜環太平洋地域生まれの食品

環太平洋地域の食材を使った商品が注目されています。グアバやドラゴンフルーツ、パッションフルーツは、スムージーやカクテルなどでトレンドになりそうです。
また、フィリピンのソーセージ「ロンガニーサ」、干しエビ、コウイカ、エビのペーストも挙げられており、朝夜問わず様々な場面で登場すると予測されています。
現在、ジャックフルーツが肉の代替品として利用されているように、ラカンカなどのフルーツの甘さを活かした砂糖の代替品も注目されています。

◆トレンド2 Shelf-Stable Probiotics 〜常温保存が可能なプロバイオティクス

キムチなどの発酵食品に代表されるプロバイオティクスは2017年のトレンド予測でも取り上げられていますが、2019年は新しいプロバイオティクスがトレンドとなりそうです。
現在「ウェルネス」が注目されており、常温保存が可能なプロバイオティクスが含まれたグラノーラやオートミール、スープなどが新しく登場するとみられています。
これらは保存性が高いため、より日常的・効果的に体に良いプロバイオティクスを摂取できます。
また食品だけでなく、クリーニング用品や日焼け止めなどの商品にもプロバイオティクスは活用されるでしょう。

◆トレンド3 Phat Fats 〜体に良い脂肪

脂質を摂取することで体質改善やダイエットを行う「ケト・ダイエット(Keto Diet)」や、
原始的な食事を中心とする「パレオ・ダイエット(Paleo Diet)」などの食事方法がトレンドとなっています。
脂肪の新しい摂取源として、MCTオイルパウダーで作られたケトジェニックな栄養バー、ココナッツバターが含まれたチョコレート、
脂質が多く含まれる「ファット・ボム(脂質の爆弾)」と言われるようなスナック類だけでなく、バターコーヒーに影響を受けたビーガンコーヒーなども注目されています。

◆トレンド4 Next Level Hemp 〜ヘンプ(品種改良された大麻)

ヘンプ(麻)の種やオイルは美容用品や食品に使われており、これまでも健康・美容に良いとして注目されてきています。
例えば、食品ではワッフルミックスから乾燥パスタまで様々なものに含まれています。
ホールフーズの専門家は、今後より安全な方法で更に活用が進むと予測しています。

 

◆トレンド5 Faux Meat Snacks 〜人工肉のスナック

野菜類やキノコなどを使った代替肉は以前からトレンドとなっていますが、
菜食主義の人たちの間だけでなく、より多くの人が植物ベースの食品に興味を持っているとホールフーズの専門家は指摘しています。
マーケットではマッシュルームが大人気で、卵の白身のチップスも人気上昇中だそうです。

◆トレンド6 Eco-Conscious Packaging 〜環境に優しいパッケージ

多くの企業が環境に配慮した包装に関心を持っており、たい肥化できる素材でできた製品に関心が集まっています。
ホールフーズもストローなどのプラスチック製品のリサイクル化に取り組んでいます。
また、再利用できるサンドイッチやお菓子のパッケージなども注目されています。
さらに、“BYOVB”(Bring your own vegetable bag=自分の買い物袋持参)キャンペーンを展開する店が増えており、
ビーズワックス(蜜蝋)でできた食品包装を導入する店も出てくるだろうとホールフーズは予測しています。

 

◆トレンド7 Trailblazing Frozen Treats 〜冷たいスイーツの変わり種

冷凍デザートの分野では、罪悪感ゼロのスイーツを求めるヘルシー志向の人々に、低カロリーや植物ベースが求められています。
冷凍デザートと言えばやはりアイスクリームが主流ですが、
アボカド、フムス、タヒニ(生ゴマのペースト)、ココナッツウォーター等を使った新しい冷凍デザートがトレンドになると予想されています。
また、台湾のかき氷、ブラジルのシャーベットやトルコアイスも注目されています。

◆トレンド8 Marine Munchies, Beyond Seaweed 〜海藻だけではない、海にインスパイアされた食品

海藻類の食品は数年前から人気になり、健康志向の高い人々に親しまれていますが、今年はさらに海の植物を使った食品がトレンドになると考えられています。
海藻入りバター、昆布麺などの他にも、藻を配合した植物ベースのツナの代用品、良質な脂肪たっぷりのクリスピーな鮭皮などが注目されています。
ホールフーズでも海藻などを利用した新商品を発売する予定です。

◆トレンド9 Snack Time, Upgraded 〜アップグレードしたスナックタイム

「スナック(軽食)は全般的に高級化している。通常の1日3食の食事に取って代わりつつあり、これまでとは違ったものになっている」とホールフーズは言います。
また、携帯に便利なパッケージを求める声も高まっており、ひと口サイズの生ハムや熟成したモッツァレラなどが人気となりそう。
さらに、子どもの頃に食べたおやつの高級バージョンも仲間入りするとみられ、
グルテンフリーのオーガニックなスイーツや、オーガニックの砂糖を使ったお米のスイーツなども人気が出そうです。

 

◆トレンド10 Purchases that Empower 〜購入を後押しするもの

昨年のトレンドだった「トランスペアレンシー2.0(透明性の進化)」のように、消費者の購入動機は変化が続いています。
ホールフーズは、「購入の背景にある思いやりは環境への責任と動物愛護を越えるものになる(両者を排除するものではないが)。
つまり、より人間にフォーカスしたものになる」と言います。例えば、女性農家と契約するクリ・クリ(Kuli Kuli)を例に挙げており、
同社は西アフリカ産の「モリンガ」という栄養食品を粉末やサプリメントやスナックにして、世界3000以上(米国含む)のスーパーで売っています。
「この新しいスーパーフードを売り込むことによって需要を掘り起こし、アフリカの国々の経済を豊かにしたい」と期待しており、
消費者は自分と同様の価値観を持ったブランドの商品を購入することで、その企業を支援するようになっています。

◆まとめ

ホールフーズが発表したトレンドのキーワードは、健康や環境に配慮した「持続可能性(Sustainable、サステイナブル)」につながるものが多く、近年の潮流でもあります。
また、今年は様々な機能性食品も注目されています。こうしたフードトレンドを担っていくのはミレニアル世代だと言われていますが、米国のミレニアル世代の人口は約8700万人。
総人口の約1/3を占めており、強い経済力と消費力を持ち、社会への影響力が大きい彼らは、「モノではなく、体験を買う」「健康志向が強く、食の安全や環境保護などの問題にも敏感」「社会貢献やボランティアに関心が高い」「利便性や機能性の高さを重視」といった特徴が際立っています。
日本のミレニアル世代でも同様の特徴が挙げられると思いますが、このような特徴を持つ彼らをどう取り込むかが、本当のトレンドになるかどうかの境目となりそうですね。

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